尼崎市から発信する みんなの「A」

尼崎市から発信する みんなの「A」

A-LAB|八木慎二郎、藤平征太、⼭城理奈
2023.08.31
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ミュージアムでもなく、ギャラリーでもない。しかし、年4~5本の展覧会を企画・開催し、定期的に開かれるアーティストトークには、近所に住む子どもたちも参加する。

ゆるやかに地域に開かれ、現代美術と若手アーティスト、そして市民をつなげる場が、兵庫県尼崎市の住宅街にある。

今回は、行政が主導して生まれた、新しいアートの発信基地 「A-LAB(えーらぼ)」を訪ねた。インタビューには、尼崎市役所⽂化振興課の職員である藤平征太(ふじひらしょうた)さん、⼭城理奈(やましろりな)さん、A-LABの立ち上げ時から現場に携わり続けている、公益財団法人尼崎市文化振興財団の八木慎二郎(やぎしんじろう)さんにご参加いただいた。

A-LABの正面玄関。阪神尼崎駅から北東へ徒歩15分、閑静な住宅街の中にある

文化芸術で、尼崎がもっと“ええ街”になるように 

―まずは、A-LABがどういう場所か、そしてアートの発信拠点として、いつどのようにはじまったのか教えていただけますか。

藤平:A-LABは、どの年代の方も気軽に来ていただき、美術を身近に感じてもらう場として、尼崎市役所の文化振興課と、運営を委託している尼崎市文化振興財団が協働している、開かれたアートスペースです。

2015年度に あまらぶアートラボ「A-Lab」 という名前でオープンしたのですが、元々、「あまらぶ」という言葉は、2013年に策定された、尼崎版シティプロモーション推進指針の通称「あまらぶ大作戦」【※1】に由来します。これを機に、若い方々の夢やチャレンジの応援に力を入れることを目的としてオープンしたという経緯があります。

A-LABのロビー
写真は宮本美紗季の作品展示時のもの(A-Lab Artist Gate'22)
展覧会は展示スペースだけに限らず、施設全体を使って展示されることも多い。
エントランス階段
上続ことみの作品展示時のもの(A-Lab Artist Gate'22)

2022年春、今のA-LABに名称変更しましたが、頭文字の「A」は、「アート(Art)」、「尼崎(Amagasaki)」、そして「あまらぶ (Ama love)」に共通する文字であり、アルファベットの最初の文字ということから「始まりの場所」というメッセージを込めています。あとは、関西弁の「ええところ」「ええもの」などの発音と同じように、「良い」イメージを発信する場所になれたら、と。


―そういう意味だったんですね。ちなみに尼崎市ってどんな街でしょうか。関西では兵庫県と大阪府のちょうど境目にある都市で、今は「住みたい街」としても人気ですよね。皆さんと尼崎との関係性も教えてください。

八木:僕は奈良県で育ちましたが、生まれたのは尼崎市です。地元のコミュニティの強さを感じるというか、「尼崎が好き」っていう人が多いように感じますね。

八木慎二郎さん

山城:私は大阪で生まれて尼崎で育ちましたが、確かに尼崎の人は尼崎が好きだなって思いますね(笑)。狭いと言えば狭い街かもしれないけれど、自転車で行ける距離に何でもあって、交通の便もいいですし。市の職員を目指したのも、尼崎が好きだったからです(笑)。

⼭城理奈さん

藤平:私は大阪・岸和田市の出身です。尼崎市に来てから感じるのは、やはり住みやすい街。だからこそ尼崎市としては、もっと外から観光に、ひいては移住してもらえるような街にしていきたいと、2012年度に、シティプロモーション推進部と都市魅力創造発信課が新設されて、各部署の事業が順調に発展していき、現在の広報課と文化振興課、経済観光振興課の体制になりました。

藤平征太さん

―文化振興課では、具体的にどんな事業をされているのでしょうか。

藤平:例えば、「尼崎市文化未来奨励賞」【※2】。これは40歳以下の全てのジャンルの芸術家を対象に公募して年に1名選出し、尼崎市内で市民の方々に向けて発表する機会と奨励金の支援を行っていて、2023年度で6回目となります。ちなみに初回は、尼崎市出身でもある、山中suplexの小笠原 周さんが受賞され、改めて尼崎市をリサーチしてもらい、個展「尼崎の伝説の彫刻」を、尼崎城址公園等で開催しました【※3】。

また、「ティーンズサポートチケット」という取り組みでは、13~19歳の若い世代の方々に、市内で開催される演劇やバレエなどの舞台公演を安価に体験できる機会を作っています。大学生を対象とした落語選手権「尼崎落研選手権」の開催も続いていますし、音楽祭の開催も。美術に限らず、本当に幅広い文化芸術を対象にしています【※4】。



A-LABという場から、広がる気づきと出会い

―A-LABがスタートした当時、八木さんは、アルバイトとして関わっていた、と伺いました。

八木:はい、最初は市の臨時職員としてA-LABに常駐し、展覧会の受付や館内の清掃、備品の管理などさまざまな業務を担当していました。勤務し始めたきっかけは、大学・大学院の恩師である写真家の吉川 直哉さん【※5】から、ここの立ち上げに関わっていることとスタッフを探していることを聞き、働きたいと僕からお願いしたんです。吉川さんは現在も、A-LABにアドバイザーとして関わっていただいています。僕は当時、宝塚大学(旧 宝塚造形芸術大学)で写真を学んでいて、修了後も作家活動を続けていこうと考えていた頃でしたね。


―そうでしたか。作家活動を続けながら、お仕事の幅は、どのように広げていかれたのでしょう?

八木:今では作品のインストールにもかなり関わらせてもらっていますが、A-LABがスタートした頃は、設営の簡単なアシスタントから入って、少しずつできることが増えていった感じです。アーティストによって準備の仕方も違いますし、展覧会の度に現場で学ばせてもらいました。基本はインストーラーのような経験を中心に広げていき、直近では運営に関することはもちろん、展覧会の企画も担当するようになりました。


―プロジェクトマネジメントに、インストール、イベントの企画運営と、さまざまな運営の実務を担っていらっしゃってすごいですね。色々やられている中でも、八木さんにとって楽しさを感じる業務やこだわっているものはありますか?

八木:そうですね……他の施設で勤務したこともないので自分がどれくらいの業務を担当しているのかあまりよく分かっていないですが(笑)、インストーラーとしての経験は大きいかもしれません。僕自身も作品を制作していましたし、「こういう展示台がほしい」とか、「作品をこういう吊り方で展示したい」とか、できるだけアーティストの方の希望を実現する、という方針の場所なので、希望を聞きながら調整しています。 


―なるほど。一方で藤平さんも、尼崎市の職員としてA-LABの準備段階から関わってこられていますよね。

藤平:はい、2015年からなので、今年度で9年目に入ります。A-LABがスタートして以降は、展覧会やさまざまなイベントの企画、若手アーティストのリサーチなどを、美術への造詣が深い職員を中心に行ってきました。
ただ正直、担当になった当時は、アートのアの字もわからなかったです(笑)。大学は理系でして、多少はデザインもやっていましたが、プログラミングなどが中心で……。文化振興課への配属もたまたまでした(笑)。最初は特に美術に興味関心があったわけでもなくて。
 


―そうだったんですね!それほど美術に興味のなかった藤平さんが、何年も関わり続け、面白いと思うようになった理由を伺いたいです。

藤平:A-LABでの仕事を通して、アーティストの方々とお話しする機会が増えるにつれ、ぱっと見てすごい、面白い、という作品だけではなく、ただ見ただけではよくわからない作品も、なぜこういう作品になったのかを伺うことができたり、自分とは異なる考え方に気づいて、だからこうなるのか!とわかったときの驚きがあったり。そんな体験の積み重ねですね。それに、今いちばん面白いのは、イベントを通して、私のようなアートの体験を、参加いただいた皆さんに楽しんでもらえている様子を見ること。達成感がありますよ。 


―素晴らしいですね。約10年もA-LABに関わってこられた今、あえてこれからの課題を挙げるとしたら、どんなことでしょうか。

藤平:市民の方々にもっとA-LABに親しんでもらい、アートの拠点として広めていくこと、ですね。具体的には、どれだけリピーターとして来館してもらえるか、でしょうか。2022年度に、動物の木彫で知られる、彫刻家のはしもと みおさんの個展【※6】を開催した際、来館者数が過去最高を記録しましたが、これをどう次につなげられるか。まだまだ市民の中に文化が根付いている、とは言い切れないところが課題ですね。 


―だからといって有名なアーティストを呼べばいい、という単純な話ではないですよね。市民の方々にどうやって、アーティストに興味を持ってもらうのかも大切です。

八木: A-LABは市の事業で税金が使われていますので、市民が納得する運営をする、ということは理解しています。ただ、現代アートとなると、近寄り難いもの、難しい、分からない。といった印象があるのかもしれません。京都のように文化や美術が地域に根付くには時間がかかると思っています。

でもこの場所は元々、地域の公民館としてあった施設をリノベーションしていて、周囲は住宅街です。A-LABがスタートした当時、本当に誰も人が来ない、という状況がしばらく続いていましたが、ある日、近所に住む小学生がひょっこりやってきて、彼らと話すようになるにつれ、「小学生が気軽に遊びにきてくれる場所」であることの必要性を感じました。
「今日は学校でこんなことがあってん」「習い事はこんなんしてるねん」「へーすごいやん」と会話するうち、「じゃあ展示、観ていくわ」って、その子らが一回りして帰っていく(笑)。そしてまた一度来た子が、来たことのない子を連れてきて、自慢げに作品を解説したりしています。
そんな様子を見た僕の友人が、「駄菓子屋みたいやな」って言ってくれたとき、それめっちゃいいな!って思ったんです。子どもたちがアーティストトークに参加することもあるんですよ。内容を理解しているのかは分かりませんが、終わってからサインをもらったりして(笑)。面白いというか、A-LABという場が彼らの居場所になっているのは良かったな、と。
 


―地域に開かれた場所の役割とは、本来そういうものかもしれませんね。八木さんの視点も、藤平さんの視点も、どちらも大切ですよね。



以下、オープン前の施設の様子。尼崎市の旧小田公民館城北分館をリノベーションして、今のA-LABができた。


アーティストひとりひとりと積み重ねてきた、A-LABの時間

―A-LABのホームページには、これまでに開催されてきた40近い展覧会の情報が掲載されていますよね。これらの企画は、誰がどのように提案してきたのでしょうか。

藤平:これまでは文化振興課でアーティストの選定や企画のコンセプトなどを検討し、文化振興財団へも共有して準備を進めています。基本的に2ヶ月ごとに展示を入れ替え、年間5本程度の展覧会を開催してきました。
ちなみに、オープニングで開催した「まちの中の時間」は、20~30代の若手アーティスト3名によるグループ展でした。実は少し変わったプロジェクトでして、グループ展の後も各アーティストに尼崎市内へ通ってもらい、だいたい数ヶ月から1年くらい、フィールドワークやリサーチを行った成果を、改めてここで今度は個展として発表してもらいました。単純に作品を発表して終わりではなく、街と関わり、市民の方々と交流して、新たな創作へ繋げてもらった取り組みです。
 


―大学などを卒業したばかりの若手アーティストを対象にした、選抜形式のグループ展「A-Lab Artist Gate」も、2016年度から継続して開催されていますね。

藤平:はい。「A-Lab Artist Gate」はその年の3月末に関西圏の大学や大学院を卒業・修了予定で、今後もアーティスト活動を続ける方を対象にした選抜展です【※7】。卒業・修了制作展への視察や提出書類による選考を経て、出展アーティストを決定しています。通常は新しい門出を迎える人たちのファーストステップになるような展覧会を意識し、彼らの魅力をできるだけ多く発信できるようにしています。
ただ2022年度には、これまで「A-Lab Artist Gate」へ出展した作家たちがどのようなステップを上がっているのか、追いかける意味合いと、尼崎への再接続もこめて、過去の出展アーティスト4名に再び集まってもらい、「A-Lab Artist Gate NEXT STEP」【※8】と題して、その後の活動を展示する取り組みも行いました。



「Artist Gate NEXT STEP 2022」に参加した4名の作家のうち、
吾郷は「A-Lab Artist Gate 2016」に、稲垣と木原は「A-Lab Artist Gate 2017」に、
大東は2020年の「A-Lab Artist Gate 2020」にそれぞれ参加していた。
以下、記録写真
吾郷佳奈の展示
稲垣美侑の展示
木原結花の展示
大東真也の展示


―A-LABでは、展覧会でも、アーティストトーク「A-LAB Talk」【※9】を開催されていますし、未就学児から大人まで参加できるアーティストとのワークショップ「A-LAB Workshop」【※10】も多いですね。そして必ず、記録の冊子をアーカイブ資料として制作されている点も、素晴らしいと感じました。

藤平:A-LABのコンセプトは「アートを通じた街づくり」ですので、単に展示して終わり、だけではなく、トークやイベントは市民の方々と関わる機会をつくるために、アーカイブ資料も展示の記録のために制作しています。PDFを公開している他、少部数ですが印刷もしています。紙の印刷物になることで、若手アーティストの方々にはご自身のPRツールとして活用いただけますし。

アーカイブ資料。A-LAB内で過去のアーカイブが閲覧できるほか、PDFデータでも閲覧が可能になっている。
PDF資料はこちら


―藤平さんと八木さんは、オープニングから関わってこられたと思いますが、特に記憶に残っている展覧会はありますか。

藤平:私は、2023年2~3月に開催した、林 葵衣さんの個展です【※11】。林さんは、尼崎市ゆかりの現代美術家・白髪 一雄さん【※12】にちなんで2022年度に創設した「白髪一雄現代美術賞」の最初の受賞者です。

1年くらいかけて、尼崎市内のいろんなところでリサーチした成果を、新作として発表いただいたんですが、私はそれにほぼ同行することができました。作品の中には、市の職員や市民の方々との会話から、印象に残った言葉をくちびるで描くシリーズがありまして、その新作をA-LABの廊下に展示できたのは、やってきた甲斐があったというか、作品として形になって良かったな、と。あと、会場での配布資料には、受賞してからこの展示に至るまで、林さんが書いた日記のようなメモを掲載しましたが、いたるところに自分の名前が出てきまして(笑)。 


―それは嬉しいですね。リサーチを通して、林さんと藤平さん、市民の皆さんとで、作品を一緒に作った感じがしますね。八木さんいかがでしょうか。

八木:〈デコレータークラブ〉のシリーズで知られる、飯川 雄大さん【※13】ですね。あらゆる既成概念を覆されて、いろんな角度から衝撃をうけました(笑)。これまでに関わってきたどのアーティストとも違う、印象的な方でした。飯川さんの作品は、空間全体を使ったり、巨大な立体作品だったり、どれも現場のスタッフとの協力やコミュニケーションがないと成立しません。ここまで僕らスタッフとじっくり対話して作られた方はいなかったですし、周囲を巻き込んでいく力、飯川さんの持つポテンシャル、アーティストとしての力がすごいな、と。

同時に、「いい展覧会」は、アーティストひとりではなかなか実現が難しい、そこに関わる人たちと一体になって作っていくものなんだな、と僕自身が非常に勉強になりました。これはどんな物事においても、言えることかもしれません。

最近もよく考えていますが、アーティストがA-LABという場所で、「ここまでのことはできるだろう」「これ以上はできないかな」みたいな思考や判断を現場で聞いて、アーティストの理想のプランを叶えられるように一緒に動くことが、やっぱり僕にできること、役割なのかもしれません。

第一回白髪一雄現代美術賞受賞者 林葵衣 個展「有り体を積む」
A-Lab Exhibition Vol.16「飯川雄大個展 デコレータークラブ 配置・調整・周遊」

ゆるやかで多様な関わり A-LABのかたちは変り続ける

―最後に、A-LABが今後目指されていること、チャレンジしていることをお聞かせください。

藤平:まずは、A-LABを飛び出して、市内の生涯学習プラザでワークショップを開催する「A-LAB GO+」【※14】を、継続したいですね。こちらから市内の各地域へ出向き、アーティストと住民の方々との交流を通して、文化を根付かせていけたら、と。例えば、「こんなことを地域でやりたい」みたいな相談は本当にウェルカムです。 


―現状、A-LABの取り組みを手伝いたい、関わりたい、という声も寄せられると思いますが、そういった外部から関われる仕組みなどはあるのでしょうか?

八木:手伝ってもらえること自体はあるし助かるのですが、正直、作品の設営などの現場でどんな関わり方をしてもらえるかはまだ模索中です。ただ、僕自身がそうでしたが、展示を観に行くだけではわからない、展覧会の裏で起きていることって結構面白いんですよね。今後、展覧会をサポートする仕事がしたいという方には間違いなく勉強になるし、経験してもらえるような形をつくれるといいな、とは考えています。 


―大切な視点ですね。また、先ほどの「いい展覧会」の考え方とも似ていて、プロジェクトを広げていくためには、どれだけの人が共感し、次の担い手になってくれるかどうか、にかかっていますよね。

八木:そうですね。また、 A-LABで開催されている展覧会の企画は、2023年度以降、文化振興財団が担っています。今活躍しているアーティストを招いた展覧会も充実させながら、並行して未来に種をまくような実験的な取り組みも必要では、と考えています。

直近で開催する展覧会「RE:AMA (り・あま)」がまさにそれでして、美大・芸大生ではない大学生たちによる合同リサーチプロジェクトです。映像作家の林 勇気さんとA-LABのアドバイザーでデザイナーの後藤 哲也さんが教えている、、映像や写真、デザインを学ぶ大学生たちに、尼崎の城下町である寺町エリアをリサーチしてもらい、林さんや後藤さんにご協力いただきながら、作品として展示予定です。【※15】


―短期的で一過性のものではなく、地域に根差す活動として続いていくために、美術と他の領域を横断するような今回のプロジェクトは、確かに実験的ではありますが、上手くいくといいですね。2023年度の新卒で入庁した山城さんは、これからどんなことをやってみたい、とお考えですか。

山城:実は市の職員になるまで、A-LABのことをよく知らなかったんです。でもアートやミュージアムはずっと好きで、高校も美術部でしたし、とても面白いなぁと思って配属を希望しました。これからの仕事を通じて、自分の地元でもある尼崎市の市民の方々へアートで貢献したいですし、もっと市の内外へ向けてさまざまな情報発信をしたいです。


八木:尼崎市内の方々にも、もっと知ってもらわないと、ですね。また、A-LABに来てくれる中学生・高校生・大学生も増やしたいですし、アーティスト・イン・レジデンスもいつか実現できたらいいですね。


―今回、兵庫県外から初めて伺って、こんな素敵な文化芸術の拠点があったことに驚きました。まずはもっと関西圏の人たちにも知ってほしいですね。

藤平:ありがとうございます。尼崎市と、この周辺の街づくり、という視点や意識はずっとありましたが、地域の外から来て、尼崎市内で活動してくれる方ももっと必要ですし、大切にしていきたいです。尼崎市でこんなことができないか、というご相談にも、我々のような市の人間が入ると話が進めやすい面もあるでしょうし、ぜひお声がけください。


八木:A-LABの良さってやっぱり、ミュージアムやギャラリーよりも、作品やアーティストと距離が近くて、気軽に立ち寄っていただける親しみやすさがあるところだと実感しています。A-LAB自身、かちっとした施設ではないですし、アーティストや市民の方々からいろんなものを吸収しながら成長しています。尼崎市側も常に新しいことに取り組んでいく空気があるので、これからも柔軟に、変化し続けていけるような場でありたいなと思いますね。

関連情報

「A-LAB(えーらぼ)」 
アクセスはこちら
(URL最終確認:2023年8月31日7時10分)

尼崎市文化振興課 
(URL最終確認:2023年8月31日7時10分)

注釈

【※1】尼崎版シティプロモーション推進指針の通称「あまらぶ大作戦」 
(URL最終確認:2023年8月31日7時10分)

【※2】尼崎市文化未来奨励賞 
尼崎市の若手芸術家支援のための取り組み。40歳以下の次世代の若手作家を育成、支援することを目的としている。受賞した作家は尼崎市内で発表ができる。
(URL最終確認:2023年8月31日7時10分)

【※3】石彫をメインとした彫刻家である小笠原周は、尼崎城址公園、尼崎観光案内所での個展を実施。受賞に合わせてA-LABでも小笠原の所属する山中suplexのグループ展が開催された。以下、当時の展覧会。

【※4】文化振興課の企画で、様々な文化事業が通年を通して行われている。

その他活動一覧はこちら 
(URL最終確認:2023年8月31日7時10分)

【※5】吉川 直哉(よしかわ・なおや)
写真家。奈良県出身・大阪府在住。
大阪芸術大学写真学科卒、大学院修了
大阪芸術大学写真学科教授、神戸松蔭女子学院大学非常勤講師

【※6】A-LAB Exhibition Vol.36 「はしもとみお木彫展 いきものたちとのくらし」 2023年 A-LAB
(URL最終確認:2023年8月31日7時11分)

【※7】A-Lab Artist Gate’23 出展アーティスト募集要項

従来はアドバイザーによる推薦形式で作家が決定していたが、2023年度からは公募も開始し、大学を卒業か、大学院を修了予定の方を募集している。2023年度の選定作家と、概要はこちら。ページの下部に作家のインタビューも掲載されている。
(URL最終確認:2023年8月31日7時11分)

【※8】A-LAB Exhibition Vol.34「A-Lab Artist Gate NEXT STEP」2022
(URL最終確認:2023年8月31日7時11分)

【※9】A-LAB Talk

A-Labでは展覧会に合わせてアーティストトークを開催。市民と作家の交流の機会、作家にとっての展覧会や作品を振り返る機会をつくっている。
アーティストトーク vol.1
(ページ左部分にvol2~直近までのアーカイブがあります)
(URL最終確認:2023年8月31日7時11分)

【※10】A-Lab Workshop
(ページ左部分に過去のワークショップに関するアーカイブページがあります)
(URL最終確認:2023年8月31日7時11分)

 

【※11】A-LAB Exhibition Vol.37「有り体を積む」林葵衣 2023年 A-LAB 
林 葵衣(はやし・あおい)

1988年京都府生まれ。2011年京都芸術大学 情報デザイン学科 映像メディアコース 卒業。2013年京都芸術大学大学院 芸術表現専攻 修了。
音声や身体のふるまいに独自の形を与え、色彩の残像や音声の保存をテーマに作品を制作。展示会場での公開制作やワークショップを行うなど、関西を中心に個展、グループ展にて作品を発表する。2020 年度第 4 期常設展「画家の痕跡」 高松市美術館、2018 年「VOCA 展」上野の森美術館に参加。2015 年には「第 63 回芦屋市展」吉原賞を受賞している。
(URL最終確認:2023年8月31日7時11分)

【※12】白髪 一雄(しらが・かずお)
1924年兵庫県尼崎市生まれ。京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で日本画を学び、洋画へ転向。1955年、吉原治良を中心とする前衛芸術グループ「具体美術協会」に参加。床に広げたキャンバスの上に絵具を出し、天井から吊るしたロープを両手でつかんで身体をダイナミックに動かしながら、足を使って絵具を広げ作品を制作する「フット・ペインティング」を確立するなど、日本の戦後前衛芸術を牽引した。近年世界的な評価が高まっている。2008年83歳で逝去。

尼崎市総合文化センター 4階には、「白髪一雄記念室」があり、貴重なコレクションや活動の軌跡を鑑賞できる。
(URL最終確認:2023年8月31日7時13分)

【※13】A-Lab Exhibition Vol.16 「飯川雄大個展 デコレータークラブ 配置・調整・周遊」2018年 A-LAB
飯川 雄大(いいかわ・たけひろ)

1981年兵庫県生まれ。成安造形大学芸術学部情報デザイン学科ビデオクラス卒業。現在は神戸を拠点に活動する。世界中の海に生息し擬態する性質を持った蟹の名前(Decorator Crab)に由来し、あるタイミングで観客に何かが見えた時に起こる衝動をいくつも作るためのプロジェクト〈デコレータークラブ〉を2007年から展開。鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく物や空間が、別の場所で同時に起きる事象と繋がる《0人もしくは1 人以上の観客に向けて》、誰かの忘れ物かのような《ベリーヘビーバッグ》、全貌を捉えることのできない大きな彫刻作品《ピンクの猫の小林さん》など、鑑賞者の行為によって起きる偶然をポジティブにとらえ、思考を誘発しながら展開する作品を制作している。
(URL最終確認:2023年8月31日7時13分)

【※14】A-LAB GO+
(URL最終確認:2023年8月31日7時13分)

【※15】A-LAB Exhibition Vol.39「RE : AMA」 -寺町×人-  2023年8月26日(土)~9月10日(日)まで
追手門学院大学社会学部社会文化デザインコース+
近畿大学文芸学部文化デザイン学科による尼崎リサーチプロジェクト
(URL最終確認:2023年8月31日7時13分)


INTERVIEWEE|

八木慎二郎(やぎしんじろう)

公益財団法人尼崎市文化振興財団 文化課 美術担当・A-LAB業務担当
尼崎市生まれ、西宮市在住。A-LAB業務9年目。近年はA-LAB業務の経験を活かし、外部での展示会のサポートや展示記録撮影なども行い、またそれらの経験をA-LAB業務に還元できるよう取り組んでいる。

藤平征太(ふじひらしょうた)

尼崎市 文化・人権担当部 文化振興課
就職を機に尼崎市に関わり、現在9年目かつA-LABに携わり9年目。A-LABだけでなく、落語や音楽、伝統芸能など様々なジャンルの文化事業を担当してきた。

⼭城理奈(やましろりな)

尼崎市 文化・人権担当部 文化振興課
尼崎市在住。尼崎市が好きで尼崎市に就職し1年目。もともと興味のある文化を通して、まちをもっとよくしていくために奮闘中。

INTERVIEWEE|+5 編集部

WRITER|Naomi

ライター・インタビュアー・編集者・ミュージアムコラムニスト 静岡県伊豆の国市生まれ、東京都在住。
スターバックス、採用PR、広告、Webディレクターを経てフリーランスに。
「アート・デザイン」「ミュージアム・ギャラリー」「本」「職業」「大人の学び」を主なテーマに、企画・取材・編集・執筆し、音声でも発信するほか、企業のオウンドメディアや、オンラインコミュニティのコミュニティマネージャーなどとしても活動。好きなものや興味関心の守備範囲は、古代文明からエモテクのロボットまでボーダレス。 
Web : https://lit.link/NaomiNN0506